樹脂サッシ(樹脂窓)のメリット・デメリット・リフォーム価格・おすすめ品を解説!

更新日:2024年10月22日

樹脂サッシ(樹脂窓)のメリット・デメリット・リフォーム価格・おすすめ品を解説!

日本の住宅の窓にも少しずつ普及し始めている「樹脂サッシ」。断熱性の高さで注目されているサッシですが、現在の主流であるアルミサッシと比較すると、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?
樹脂サッシの優れた点や、注意すべきデメリット、リフォームする場合の価格・おすすめメーカー品について、ご紹介します。

(※記事内情報引用元:YKK APLIXIL三協アルミ各ホームページより)

樹脂サッシ(樹脂窓)とは?

樹脂サッシとは、樹脂製のサッシのことで、気密性と断熱性に優れtいる。省エネ効果も期待できる。日本ではあまり普及していないが、韓国や欧米では広く使われている。

「樹脂」とは、別名・塩化ビニール樹脂とも呼ばれており、私たちが日常的に使う物(フライパンの取っ手など)にもよく使用されている素材です。

フレームに樹脂を使用した窓で、寒さに強く省エネ効果が高い点を目的にドイツで開発されました。

樹脂サッシは断熱・気密性が高く、寒冷地を中心に普及しています。

国内では北海道で90%、北東北で約50%が採用されていますが、本州はあまり行き渡っていないので、日本全体の普及率は7%にとどまります。

一方、韓国や欧米では60~80%と広く普及しており、日本はまだ導入が進んでいない状況です。

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樹脂サッシのメリット

樹脂サッシには素材の性質や構造の特徴などから、次のようなメリットがあります。

樹脂サッシのメリットには、高い断熱性、結露が発生しにくい、豊富なデザイン、高い防音性が挙げられる。

断熱性が高い

樹脂サッシの最大の特徴は断熱性の高さです。

これは、樹脂が熱を伝えにくい素材だからで、アルミに比べて熱伝導率が約1000分の1と非常に低く、断熱性に優れています。

実際、樹脂製サッシの家は、アルミ製のサッシを使用している家に比べて、室内温度が夏場は2℃低く、冬場は4℃高くなるという実験結果が出ています。

また、最近ではペアガラス(複層ガラス)やトリプルガラス(三層複層)のサッシも多く、ガラスとガラスの間に生まれる中空層が、さらに熱の出入りを防ぐ仕組みになっています。

【監修コメント】
窓の断熱性を高めるためにはガラスの選択が非常に重要です。
複層ガラス、Low-E複層ガラス、3層複層ガラスなど、高い断熱性能を持つガラスと組み合わせることで、樹脂サッシの性能を最大限に引き出します。

>> 窓の断熱リフォームの種類・費用・おすすめ品
>> ガラス交換にかかる費用は?ガラスの種類や交換する際の注意点も解説

結露が生じにくい

樹脂サッシは、高い断熱性で、冬場の冷気を室内に伝わりにくくします。

そのため、外気との温度差によって生じる結露の発生を抑え、結露の防止で、カビ・ダニの発生も防ぎます

>> "結露の原因・対策とは?窓サッシ・壁紙の結露を防止する方法

開閉タイプやデザインが豊富

樹脂は加工や着色がしやすいため、幅広いデザインに柔軟に対応します。

引き違い窓のような一般的な窓はもちろん、すべり出し窓、上げ下げ窓、外開き窓など、和洋どちらの住宅にも合うデザインが可能です。

防音効果がある

樹脂サッシは気密性に優れており、外部や家の中から、音が漏れ出るのを防ぐため、遮音にも効果を発揮します。

>> "窓の防音リフォーム" で静かで快適な家づくり!
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また、前述の通りペアガラス(複層ガラス)やトリプルガラス(三層複層)を採用している物が多いので、更なる遮音効果が期待できます。

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樹脂サッシのデメリット

優れている点の多い樹脂サッシですが、やはりいくつかデメリットもあります。
ご自身でカバーできる部分は柔軟に対応して、後悔のないように選びましょう。

樹脂サッシのデメリットには、強度がないために重たくなる傾向がある点、アルミサッシに比べて紫外線に弱い点、流通量が少ないため値段が高くなる点があります。

強度がないため重くなりがち

樹脂サッシにはアルミサッシほどの強度がないため、厚みを出すことで強度を上げています。

そのため、必然的に重量が増え、開閉時に重みを感じるかもしれません。

最近はフレームを薄くしたサッシも製造されており、このデメリットは少しずつ解消されつつあります。
開閉しやすい樹脂サッシ商品については後述するので、ぜひ参考にしてくださいね。

アルミサッシに比べて紫外線に弱い?

樹脂サッシは紫外線に弱いという話を聞いたことはあるでしょうか。

正確には、「非常に頑丈なアルミサッシに比べると、紫外線に弱い」という意味です。

環境やメンテナンスの状態によっては30年位は品質を維持できますので、そこまで深刻なデメリットと考えなくてもよいでしょう。

日の光が強い場所にはあまり向きませんが、紫外線による劣化は、外壁塗装の際に専用の塗料で上塗りしてもらうことで対処できます。

【監修コメント】
樹脂サッシの弱点を考慮して、使い分けることもおすすめです。
例えば、家の南面や西面など紫外線対策が必要な場所には、アルミ樹脂複合サッシを採用する方法です。
アルミ樹脂複合サッシとは、屋外側にアルミ、屋内側に樹脂を使って製造されたサッシです。

価格が高い

樹脂サッシの本体価格は、オール樹脂サッシでアルミサッシの約2倍、樹脂とアルミの複合サッシでも1.5倍ほど高額になる傾向があります。

これは、リフォーム会社が樹脂サッシの取り扱いに慣れていない場合、仕入れに手間がかかるためです。

また、窓ガラスやサイズによっても価格が変動するので、数万~15万円程度を想定すると良いでしょう。

施工経験の多い業者ならコストを抑えられることもあるため、複数社に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。

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樹脂サッシで断熱するなら内窓(二重窓)が効果◎

内窓に樹脂サッシを取り付けた施工事例

断熱性を高めるためのリフォームなら、樹脂サッシを内窓(二重窓)として設置する方法が最も効果を発揮します。

これは、二重の窓の間に空気層ができ、熱の出入りを防ぐ働きをするからです。

また、この仕組みは防音対策にも役立つので、 周囲の騒音が気になる場合も、樹脂サッシの内窓で改善できるでしょう。

>> 内窓リフォームの価格・効果・施工例・おすすめ品
>> 二重窓(内窓)リフォームでよくある後悔&よかったことは?失敗しないための対策もご紹介

樹脂サッシの設置・交換リフォーム価格相場

樹脂サッシのリフォームを行う際にかかる費用は、内窓を追加する場合には8~15万円窓自体を丸ごと樹脂サッシへ交換する場合25~60万円程度です。

>> サッシ交換リフォームの費用相場はいくら?

ベランダに出入りできる掃き出し窓のように、サイズが大きい窓の場合は、予算は30万円以上と考えておきましょう。

また、高性能のサッシ・窓ガラスも高額になりやすいため、リフォーム会社と相談しながらご自宅に適した物を選択しましょう。

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人気の樹脂サッシメーカー商品5選

それでは最後に、人気が高い樹脂サッシのメーカー商品をご紹介します。

樹脂サッシを選ぶとき、エクセルシャノン・YKK AP・LIXIL(リクシル)・三協アルミの商品の中で悩む方が多いです。

4メーカーの樹脂サッシの特徴を比較してみましょう。

1.エクセルシャノン「シャノンウインドシリーズ」

樹脂サッシの代表のメーカーである、エクセルシャノン社です。

同社の「シャノンウインド」シリーズは、確かな気密性能の高さが一番の魅力です。

メンテナンス面にも充分に配慮し、ガラスや気密材などの部品は単体で交換可能なので、長く使い続けることができます。

オプションでロールタイプの網戸をつけることもできます。

なお、既存の窓枠の上からカバー工法で設置できる「シャノンDEリフォーム」というリフォーム用の商品は、施工も簡単です。

2.YKK AP「APW 330」

画像引用:YKK APホームページより
URL : http://www.ykkap.co.jp/apw/apw330/example/index.html

数多くの窓・ドアなどの建材を手掛けてきた大手メーカーである、YKK AP社の「APW」シリーズは、2011年度にグッドデザイン賞を受賞するほど、スタイリッシュなデザインに定評があります。

「APW 330」の戸先錠やオペレーターハンドルなどの取っ手は、キッズデザイン賞(子ども達も安心・安全に使える形状・デザインを顕彰する制度)を受賞しています。

夏の冷房効果を高める「遮熱タイプ」と、冬の暖房効果を高める「断熱タイプ」の2種から選べます。

3.LIXIL(リクシル)「エルスターX」

画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/erster_x/case/kitchen/

キッチンやユニットバスのメーカーとしても知られ、女性からの支持率が高いLIXIL(リクシル)社は、樹脂窓も、デザイン・機能が充実しています。

「エルスターX」は、特殊薄板ガラスを採用し、開閉時に重いとされてきたトリプルガラスを軽量化することで、3層の窓ガラスによる断熱と、スムーズな動きを実現しました。

4.LIXIL(リクシル)「サーモスX」

画像引用:LIXILホームページより
URL : http://www.lixil.co.jp/lineup/window/samos_x/case/living/

同じくLIXIL(リクシル)社の「サーモスX」も、樹脂窓の話をする上では欠かせない商品です。

樹脂窓同等の断熱性能を発揮するハイブリッド窓は、アルミの耐久性・採光性と、樹脂の断熱性・防露性を取り入れた構造をベースに、最先端の高断熱技術を結集しています。

アルミサッシと樹脂サッシ、それぞれのデメリットを解決した、先駆的な製品として注目を集めています。

5.三協アルミ「ハイスペックサッシ ALGEO(アルジオ)」

画像引用:三協アルミホームページより
URL : https://alumi.st-grp.co.jp/

三協アルミ社の「ALGEO(アルジオ)」も、アルミ樹脂複合サッシを検討されている方に好評です。

日本の風土・気候に配慮して設計された同商品は、暴風雨などの自然災害にも強く、子どもでも安全に開閉しやすいよう工夫されています

お掃除の簡単さにも配慮して作られており、2015年度にグッドデザイン賞、2016年度にキッズデザイン賞を受賞。

多くの窓製品を開発し、アルミサッシの良さ・樹脂サッシの良さ、どちらも知り尽くしている同社ならではの自信作です。

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樹脂サッシリフォームで快適な室温の空間を実現する

樹脂サッシを使用した窓。断熱性に優れて、寒冷地にも最適。

寒冷地に適した窓というイメージの強い樹脂サッシですが、その特性はどのような住宅にも活かすことができます。

日本でも今後ますます普及が進むと考えられますので、いち早くご自宅の窓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

どのメーカーの樹脂サッシがあうか迷ってしまう方は、リフォーム業者に相談して、お悩みを解決できる商品のアドバイスをもらうとよいでしょう。

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【この記事のまとめ&ポイント!】

樹脂サッシ(樹脂窓)のメリット・デメリットは?
「断熱性が高い」「結露が生じにくい」「防音効果がある」といったメリットがあります。
一方で「アルミサッシと比べると、価格が高い」などの点はデメリットと言えるでしょう。
樹脂サッシを設置・交換する際のリフォーム価格相場は?
内窓を追加する場合には8~15万円、窓自体を丸ごと樹脂サッシへ交換する場合は25~60万円位になるケースが多いです(詳しくは、こちら)。
人気のある、樹脂サッシのメーカーや商品は?
エクセルシャノン・YKK AP・LIXILなどの大手メーカーのおすすめ品について、こちらでご紹介しています。参考にしてください。
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