二重窓(内窓)の後悔・失敗例【リフォーム工事・選び方編】4選
①ペアガラスと合わせガラスを勘違い
「二重窓(外窓と内窓の組み合わせで二重になった窓)」とよく混同されやすいものに「ペアガラス」があります。
ペアガラス(2層のガラスで構成された窓ガラス)の窓枠は1枚分です。
(「ペアガラス」のように2枚以上のガラスで形成されたものは「複層ガラス」とも呼ばれます。)
1枚のガラスのみで形成される「単板ガラス」と比べると、断熱性が高くなります。
既存の窓の「単板ガラス」を「ペアガラス(複層ガラス)」に交換するリフォームは、比較的安価です。
ただ「二重窓にする場合」と比べると、断熱効果をあまり発揮できません。
またペアガラスの遮音性は、単板ガラスとほぼ変わらないのです。
「二重窓」と勘違いして「ペアガラスに交換するだけ」のリフォームを行っても、期待していたほどの防音・断熱効果を得にくいため、ご注意ください。
②窓本体やガラスの選び方を間違えた
内窓製品は、多くのメーカーからさまざまな種類のものが販売されており、それぞれ断熱性や防音性が違います。
例えば、内窓のガラスは、上述した「単板ガラス」や「2枚以上のガラス」を選択できますが、単板ガラスですと断熱性が劣ります。
「安さを重視して、性能が低めのガラスや内窓を選んだら、思ったよりも断熱効果がなかった」という失敗例が多いです。
とりわけ寒冷地にお住まいの場合は、ハイグレードの製品が適しています。
防音性を高めたい場合には「防音仕様のガラス」を組み合わせるなど、注意が必要です。
③部分的にしか設置しなかった
1か所にだけ内窓を設置したところ「ほかの窓にも取り付けるべきだった」と後悔してしまう例も、比較的よく見られます。
断熱性や防音性は、気密性を上げることで得られます。
窓が2つ以上あるリビングなどでは、すべての窓を断熱対策しないと、十分な効果を発揮できません。
(内窓を付けなかった窓から、冷気が入ってきてしまうためです。)
後から追加で設置することは可能ですが、費用が割高になってしまうおそれがあります。
(リフォーム工事は、まとめて行うほうが人件費がかからず、費用を抑えやすいです。)
④思いのほかリフォーム費用がかかった
「まとめて複数の窓をリフォームしたら、想定していたよりも高額だった」という話もあります。
内窓の設置費用は、1か所あたり3〜15万円、大きな窓や高グレードの場合は30万円程度です。
工事したい窓を確認し、予算をイメージしておくとよいでしょう。
リフォーム業者から見積もりを取る際に、予算を伝えてみることも大切です。
二重窓(内窓)の後悔・失敗例【リフォーム後の変化編】4選
①掃除や開閉が面倒
窓が二重になることで、掃除の手間が増え、窓の開け閉めが少し面倒になってしまいます。
また内窓にペアガラス(複層ガラス)を採用した場合「窓が重い」と感じることもあるでしょう。
特に、ベランダに出入りする掃き出し窓の場合は、洗濯の度にやや負担に感じてしまうかもしれません。
②物を置ける場所が減った
元々、窓辺に物を置いている場合、内窓を設置するにあたって、移動しなくてはなりません。
出窓にディスプレイスペースを作って楽しんでいる方などは、出窓を二重窓にしても後悔しないか、今一度考えてみましょう。
③部屋が狭くなったように感じる
内窓を設置するスペースの2〜7cm程度、部屋が狭くなります。
設置箇所や製品によって差はありますが、掃き出し窓は7cmくらい出っ張ることになるでしょう。
特に狭小住宅の場合は、室内が狭く感じてしまうかもしれません。
部屋を広く見せられるよう、内窓の枠のカラーには、周囲の壁と同系色のものを選ぶとよいですね。
④防音・断熱効果をあまり感じない
先ほどもご紹介したように「価格重視で商品を決めてしまい、性能がイマイチだった」という声があります。
ただ、防音・断熱性は、二重窓を設置するだけで解消できるとは限りません。
施工不良や、窓以外の部分に原因がある可能性もあるためです。
特に防音対策では、音が出入りできる「隙間」を埋める必要があるため、窓のリフォームだけでは解決できない場合があります。
いずれにしても、建物の状態に合った工事をしてくれるリフォーム業者に任せることが大事です。
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二重窓(内窓)のリフォームをしてよかったこと4選
失敗例をご覧になって「二重窓にするのは、やめようかな……」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際は「二重窓にして大正解だった」「もっと早くリフォームすればよかった」と満足される方が圧倒的に多いです!
成功例の内容も、チェックしていきましょう。
①防音性が高くなった
窓の気密性が高まることで、騒音の悩みが消えたというご意見も多数あります。
隣家からの生活音や、虫の声、電車の音、風の音などが減少し「安眠できるようになった」という方は、少なくありません。
②部屋の寒さ・暑さが改善した
窓から出入りする熱気や冷気が大幅に削減し、断熱効果をしっかり感じた方も多数いらっしゃいます。
「窓際でも過ごしやすくなった」「暖房の効きがよくなり、部屋がすぐ暖まるようになった」など、快適空間を実現できているようです。
③光熱費が安くなった
冷暖房の効率が向上したことで、光熱費の節約にも成功します。
暑さ・寒さの悩みが解決し、電気代もかからなくなれば、より嬉しいですよね!
④防犯性が高くなって安心
空き巣や泥棒の侵入経路で最も多いのが「窓」です。
窓・ガラス・鍵の数が倍になることで、空き巣被害のリスクが軽減されます。
深夜や外出時の安心感が高まるでしょう。
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二重窓(内窓)のリフォームで後悔・失敗しないための対策5選
ここまでの内容を踏まえ、二重窓のリフォームで失敗しないための主なポイントを押さえておきましょう。
①価格を優先して、設置箇所や製品選びを妥協しない
リフォーム費用を抑えるために「1か所だけに設置する」「低価格の製品を選ぶ」ことは避けましょう。
お住まいの環境次第ではありますが、二重窓を設置する目的を果たすためには、優れた防音・断熱性を持つ製品を、適切な場所に設置することが重要です。
②本当に防音・断熱対策したい部屋を決める
繰り返しになりますが、製品によって「防音」「断熱」「防犯」などの機能性が異なります。
「どの部屋に、どんな対策をしたいか」「断熱性を重視したいのか、防音性も一緒に上げたいか」を明確にすることで、適した内窓やガラスの種類を選びやすくなります。
③費用を抑えるためには「補助金」を活用する
「高断熱の内窓や窓ガラス」の設置は、補助金対象となることがほとんどです。
例えば2024年10月現在、東京都には「既存住宅における省エネ改修促進事業」という制度が設けられています。
内窓の設置工事では、最大で100万円の補助金が支給されます。
自治体の制度や施工内容によっては、複数の補助金を併用可能で、還元率が高くなる場合があります。
ただし「居室(リビング)のすべての窓を二重窓にすること」や「規定の断熱性能を期待できる商品を使うこと」を条件とする制度が多いです。
一部の窓だけをリフォームしたい場合や、安価な内窓製品を選ぶ際には、補助対象外とならない可能性があります。
補助制度に詳しいリフォーム業者もいるので「補助対象になるか」を一緒に確認してもらうとよいでしょう。
補助金の代理申請サービスを行っている施工会社もありますよ。
④デメリットを理解する
「掃除・開閉の手間が増えること」や「室内がほんの少し狭くなること」は、内窓を設置すると避けられないでしょう。
多少のストレスが増える点を理解・妥協した上でリフォームしましょう。
ご不安な場合は、ショールームで実際の使用感を体験しておくことをおすすめします。
リフォーム業者が同行してくれることも多いので、懸念点があればアドバイスしてもらうとよいですね。
⑤ほかのリフォームも検討する
二重窓以外にも、今の問題を解決するリフォーム方法はあります。
場所によっては内窓を設置できないケースがあるため、次のような選択肢も検討してみましょう。
お悩み | 工事の例 |
---|---|
外からの騒音を防ぎたい | 壁の防音工事 |
部屋の寒さ・暑さ対策 | 壁・床下・天井(屋根)・玄関ドアなどの断熱化 |
窓を二重にしたくない | 既存の窓を樹脂サッシに交換する |
防犯性を強化したい | シャッター・面格子の設置 |
これらの工事は、断熱工事の補助金や防犯リフォームの補助金の対象となりやすいです。
ただし、どのような工事でも、ご希望通りに施工できるとは限りません。
特にマンションでは、工事の許可が下りる範囲は限定されてしまいます。
いずれの対策を行いたい場合でも、まずはリフォーム業者に現地調査を依頼し、適した工事を一緒に考えてもらうとよいでしょう。
二重窓を設置できる場合でも、懸念点をあらかじめ伝えておくことで、解決策を講じてくれる可能性がありますよ。
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満足度の高い二重窓リフォームをしよう
失敗例が多そうに感じるリフォームでも、信頼できる業者に施工してもらえれば、満足度の高いものになるでしょう。
ぜひ気軽に、リフォーム会社に相談することから始めてみましょう。
今まで以上に快適で過ごしやすい住空間を、実現できるとよいですね!
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