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人工(人造)大理石浴槽の特徴とは
「人大」と略されることもある「人工(人造)大理石」。
「人工大理石」と「人造大理石」は、現在、住宅設備メーカーやリフォーム会社ではほぼ同じ特徴を持つ素材・同義語として扱われてはいますが、実際は異なる物です。
それぞれの違いについて、参考までに確認しておきましょう。
「人造大理石」と「人工大理石」の違い
URL : http://www.toclas.co.jp/bathroom/story/plan.html
「人造大理石」とは、粉砕した天然の大理石(水晶/クォーツ)に樹脂やセメントを混ぜた物を指す名称です。
「テラゾー」とも呼ばれており、エクステリアや壁・床材などに多く使用されてきました。
樹脂で固めた「レジンテラゾー」か、セメントで固めた「セメントテラゾー」かによっても性質が違い、また使用される石によって色調が左右されます。
画像引用:クリナップホームページより
URL : http://cleanup.jp/bath/aqulia_bath/plan.shtml
一方、「人工大理石」はアクリルやポリエステルといった合成樹脂を主成分として作られた物で、天然の大理石は一切入っていません。
価格がリーズナブルで、耐水性に優れ、加工がしやすくカラーバリエーションも豊富のため、水まわりの建材で主流になりつつあります。
どちらの素材も、浴槽やキッチンのシンクなどによく利用されています。
人工大理石は、アクリル系とポリエステル系の2種がある
さらに人工大理石は、原材料とする合成樹脂の違いによって、「アクリル(アクリルウレタン)系」と「ポリエステル系」の2種類に分けられます。
【アクリル(アクリルウレタン)系】
アクリル(アクリルウレタン)系の人工大理石は、透明感や光沢があり、見た目が美しいことが大きな魅力です。
また耐熱性が高く、表面が硬いため衝撃に強く、黄ばみなどの汚れが付きにくいというメリットがあります。
【ポリエステル系】
ポリエステル系は、価格が安いという良さがありますが、アクリル系に比べると質感や耐久性にやや劣ります。
また表面のコーティングが水を吸い込むと膨れや剥がれなどの症状が表れて修復が難しくなるため、長時間お湯を溜めておく「24時間風呂」には不向きとされる傾向にあります。
このように、「人大の浴槽」にも素材によって特性が変わってきます。
以下からは、人工(人造)大理石浴槽の特徴についてもう少し詳しくご説明していきますが、実際に商品を選ぶ際にはアクリル系かポリエステル系か意識してみると良いですね。
人工(人造)大理石浴槽のメリット
それでは、最も普及率が高いとされているFRP浴槽と比較した場合、人工(人造)大理石浴槽を選ぶメリットはどのような点にあるのか具体的に見てみましょう。
FRPと比べると高級感がある
ショールームなどでFRP浴槽と比較してみると、人工(人造)大理石の美しさに感動する方が多いようです。
質感の良さや高級感は、人工(人造)大理石のほうが大きく勝っていると言えるでしょう。
汚れや傷が付きにくいため、掃除・手入れが楽
表面の硬度が高い人工(人造)大理石浴槽は、柔らかい素材のFRPと比べて、傷や汚れが付きにくいという魅力があります。
「FRPよりも掃除が楽」という理由から、浴室リフォームの際に人工(人造)大理石が選ばれることも少なくありません。
ただしポリエステル系の人工大理石は、アクリル系と比べると研磨剤や溶剤には弱いため掃除の際にはご注意ください。
研磨剤やタワシで摩擦しすぎてしまうと、目に見えない細かい傷が表面に付き、かえって汚れが付着しやすくなるケースがあります。
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人工(人造)大理石浴槽のデメリット
人工(人造)大理石の浴槽を設置したい場合には、デメリットもしっかり把握しておく必要があります。
長く使用することを考慮しながら具体的な点をチェックしてみましょう。
追い焚き機能を後付けできない場合が多い
人工(人造)大理石は表面が硬いという特性上「穴開け工事」を行うのが難しいため、「追い焚き機能」を後から追加できないケースが多く見られます。
今後、追い焚き機能が必要になるかどうか悩む場合は浴槽の設置時に施工会社と相談し、あらかじめ追い焚き機能に対応する浴槽を選んだほうが良いかもしれません。
例えば表面が柔らかい「FRP浴槽」であれば、後から追い焚きを追加したくなった場合でも施工しやすいというメリットがあります。
なお、追い焚き機能付きのお風呂にしたい場合には、浴槽だけではなく、対応する「給湯器」も設置している必要があるのでご注意ください。
「入浴剤は使えない」という噂も?
「人大の浴槽には入浴剤を使えない」という噂を聞き、不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
製品の成分により、人造大理石の光沢が失われたり変色したりする可能性は確かにあります。
しかし入浴剤の製品によっては、浴槽の素材別に試験を行っており「人工(人造)大理石への使用も可能」と明記している物もあるので、このような記載があるか確認してから商品を購入すればOKです。
FRPと比べると価格は高い
新築時や、浴室全体をリフォームする際にはたいていの場合、好みのユニットバス製品の中から浴槽の素材も選べます。
同じユニットバス製品で人工(人造)大理石を選択する場合、FRPを選ぶ時よりも5~12万円程度高くなる傾向があります。
予算の範囲内であればデメリットにはなりませんが、できるだけ費用を抑えたい場合は大きなネックに感じられるでしょう。
ただしメーカーによっては、他社のFRPと同等の価格で人工(人造)大理石浴槽にリフォームできる可能性もあります。
人工(人造)大理石はメーカーごとに、FRPとの性能差や特徴などが異なりますので、リフォーム費用と優先したいこと(掃除のしやすさ、デザイン性、床材など浴槽以外の部分にもお金を掛けたいかどうかなど)のバランスを考えて、製品を選ぶようにしましょう。
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価格も重視したい場合にはリフォーム会社に相談し、予算内で設置できる商品を提案してもらうと良いですね。
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人工(人造)大理石浴槽のメンテナンス・補修方法と費用
手入れの仕方が不安な方のために今後必要となるメンテナンスや補修方法についても解説しておきましょう。
丈夫で汚れが付きにくい人工(人造)大理石浴槽も使い続ける内に劣化や破損などの症状が表れます。
まず目立ち始めるのは、塗装や光沢の剥がれ、染み込みによる変色といった表面的な経年劣化でしょう。
このような場合は表面を薄く研磨し、コーティングを施すことで新品同様に生まれ変わります。
また多少の亀裂・ひび割れ・欠けなども、補修を行ってから塗装する方法で再生が可能です。
補修内容ごとのおおよその価格は以下の通りです。
補修内容 | 費用相場 |
---|---|
研磨作業 | 3~8万円 |
保護コーティング | 2万〜3万3千円 |
再生塗装 | 7~20万円 |
浴槽の研磨作業
浴槽を研磨する場合の費用は、3~8万円です。
サイズが大きい場合や、劣化症状が進行しているほど高額になります。
なお浴槽を研磨した後には、コーティング・塗装も行うのが一般的で、この場合は総額10万円を超えることがほとんどでしょう。
浴槽を保護するためのコーティング塗装
表面に保護用コーティングを施すことで、浴槽をカビなどの汚れから防ぎ、より長持ちさせることができます。
コーティングにかかる費用は2万〜3万3千円位です。
浴槽の再生塗装
浴槽にひび割れなどがある場合には傷の部分を修復・再生させるための塗装を行います。
再生塗装の費用は7~20万円前後です。
どのようなメンテナンス・補修の仕方であっても、劣化や破損の状態が軽い内に対処することが肝心です。
人工(人造)大理石の補修や塗装が得意なリフォーム業者に早めに依頼しましょう。
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人工(人造)大理石浴槽を選べる、主なユニットバスメーカー品
先述した通り、各メーカーが取り扱うユニットバスには、人工(人造)大理石浴槽を選択できるシリーズもたくさんあります。
ここでは、ユニットバスのリフォームで特に人気が高いメーカー品の一部をご紹介します。
クリナップ『アクリアバス』
画像引用:クリナップホームページより
URL : http://cleanup.jp/bath/aqulia_bath/plan.shtml
クリナップ社の『アクリアバス』は、一戸建て、マンションともに対応可能なユニットバスです。
冬も快適な、高断熱浴槽が標準装備。素材はアクリル人工大理石製の「アクリストンクォーツ」を選択できます。
さらに数種類のデザインがあり、シンプル形状な「スムーズ浴槽」、全身浴と半身浴どちらも楽しめる「スマート浴槽」、ゆったりとソファのように腰掛けられる「ラウンジ浴槽」の中から選べます。
【クリナップ アクリアバス 対応サイズ】 |
---|
1616/1618/1621/1717 |
パナソニック『リフォムス』
画像引用:パナソニックホームページより
URL : http://sumai.panasonic.jp/bathroom/unit/
パナソニックの『リフォムス』は、一戸建てやマンションの浴室リフォーム用に作られた、ユニットバスのシリーズです。
標準搭載されている高級感たっぷりの「スゴピカ浴槽」は、パナソニック社独自の有機ガラス系人造大理石で作られており、水滴や汚れを弾くため、掃除が簡単です。
また、同じく有機ガラス系の素材を使用した「スゴピカ水栓」や、オプションで浴槽に設置できる「オイルヴェール酸素美泡湯」も美容効果が期待できるため人気です。
【パナソニック リフォムス 対応サイズ】 |
---|
〔一戸建て〕1217/1317/1717 |
〔集合住宅〕1116/1216/1218/1317/1416/1418/1620 |
TOTO『サザナ』
画像引用:TOTOホームページより
URL : https://jp.toto.com/products/bath/sazana/index.htm
TOTOの一戸建て向けユニットバス『サザナ』では、アクリルウレタン系樹脂の人工大理石浴槽「お掃除ラクラク人大浴槽」を選択できます。
浴槽を断熱材でくるみ、高断熱の風呂ふたを用いる「サンジュウマル 魔法びん浴槽」や、断熱クッションで柔らかさを追求した「ほっカラリ床」なども設置できることからファンが多いシリーズです。
【TOTO サザナ 対応サイズ】 |
---|
1216/1220/1317/1616/1618/1620/1624/1717/1818 |
LIXIL(リクシル)『リノビオV』
画像引用:LIXILホームページより
URL : https://www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/renobio/default.htm
マンションリフォーム向けのシステムバスLIXIL『リノビオV』は、ポリエステル系樹脂の人造大理石の浴槽「ルフレトーン」を標準搭載しています。
幅広い世代に対応した「ユニバーサルデザイン」なので安心・安全に入浴でき、「アクアジェット」などのシンプルなオプション機能の選択肢も充実しています。
【LIXIL リノビオV 対応サイズ】 |
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1116/1216/1218/1316/1317/1416/1418/1616/1620、他 |
人工(人造)大理石浴槽のリフォーム事例と費用
当サイト・リショップナビで、人造大理石や人工大理石の浴槽付きのユニットバスへリフォームした実例もチェックしておきましょう。
浴室全体をリフォームする場合の費用の参考にしてみてくださいね。
事例1
手入れしやすく暖かいLIXILの浴室
工事費用 | 90万円 | 住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
築年数 | 築20年 |
元はタイル張りで、冬場は寒く、目地の手入れも大変だったお風呂をLIXILの戸建て住宅用ユニットバス『アライズ』へリフォームし、水垢が付きにくい人造大理石の浴槽を採用しました。
断熱性のある床材を施工し、脱衣所・浴室・浴槽の高さもバリアフリー化して、どの世代の家族も使いやすい浴室に生まれ変わりました。
事例2
TOTOのお風呂で、清掃性とデザイン性を両立
工事費用 | 80万円 | 住宅の種類 | マンション |
---|---|
築年数 | 築30年 |
TOTOのマンション用バスルーム『WG Tタイプ』へリフォームし、浴槽は撥水性があり汚れも付着しにくい人工大理石の物に交換しました。
黒のカウンターと壁にはアクセントパネルを採用し、モダンで清潔感のある浴室になりました。
浴室リフォームが得意な業者の意見も参考に
今回は、人工(人造)大理石浴槽の特徴や魅力、代表的なメーカー品について解説しましたが、もちろん人大以外の浴槽やこの他のメーカーにもそれぞれの良さがあります。
浴槽の素材やメーカー選びに迷ったら気軽にリフォーム業者に相談してみましょう。
実際に浴槽交換をしたご家庭から「人大にして良かった」、あるいは「FRPでも十分」といった感想が寄せられているかどうかも聞かせてもらえるはずです。
また「掃除のしやすさや保温性重視なら、このメーカーが良い」など具体的なアドバイスをしてもらうのも良いでしょう。
家族全員が納得できる浴槽を選択し、快適なお風呂にリフォームできると良いですね。
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【この記事のまとめ&ポイント!】
人工(人造)大理石の浴槽のメリットは? |
---|
FRPと比べると高級感があること、汚れや傷が付きにくいため、掃除・手入れが楽なことです。 |
人工(人造)大理石の浴槽のデメリットは? |
追い焚き機能を後付けできない場合が多いこと、FRPと比べると価格は高いことなどです。 |
人工(人造)大理石の浴槽を選べる、ユニットバスのメーカー・商品は? |
クリナップ・パナソニック・TOTO・LIXILなどのおすすめ品について、こちらでご紹介しています。 |
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