長屋の特徴
長屋とは、ひとつの建物が壁によって複数の住居に区分されている集合住宅をいいます。
道路に面した玄関から直接室内に出入りでき、階段や廊下などの共用部分がないため、プライバシーが守りやすい点から人気を集めています。
昔の長屋は1階建てが主な構造でしたが、近年では2階建ての物件が主流になっており、特に、1階と2階が別の住戸になっている長屋は「重層長屋」とも呼ばれています。
1階に全住戸分の玄関の扉がありますが、2階の住戸へ、玄関を開けてすぐの階段を使う仕組みです。
長屋リノベーションの費用相場
長屋は一般的には600万円〜1,000万円程度でリノベーション可能です。
どれくらい間取りを変更するのか、どれくらい大幅な工事を行うのか、築年数などで費用は大幅に異なります。
2階建て長屋を1棟丸ごとリノベーションする場合は、1,000万円以上かかるケースもあります。
ただ長屋は比較的安く購入できるので、リノベーションと合わせても費用を抑えられるでしょう。
予算に合わせてどのような工事をするか、業者と相談しながら検討してください。
費用を抑えるために相見積もりをとる
長屋のリノベーション費用を抑えるには、複数の業者から相見積もりをとるのがおすすめです。
1つの会社からしか見積もりを取らないと、本当に適切な価格を提示されているかの判断ができません。
相見積もりを取れば、相場がわかり適切な金額でリノベーションできますよ。
>> ここだけは見て!"リフォーム見積書" のチェックポイント
>> どこまで無料?相見積もりの注意点・マナー・ポイントは?
>> リノベーションの見積もりの取り方とは?注意すべき点も解説
相場より安すぎる業者には注意
見積もりをとって相場より安すぎる場合は、リスクがあるので注意しましょう。
安すぎる業者を利用する主なリスクは次の3つです。
- 手抜き工事をされる
- 施工後のトラブルに対応してくれない
- 相談したときと違う間取りで施工される
このようなトラブルに巻き込まれないためにも、相見積もりをとり、しっかりと確認しましょう。
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長屋のメリット
長屋の主なメリットは、次の3つです。
● 「特殊建築物」に該当しないため規制が少ない
● 共有スペースがない
● 建物を建てにくい狭い場所でも建てられる
「特殊建築物」に該当しないため規制が少ない
長屋は戸建てに近い形状のため「特殊建築物」には該当しません。
特殊建築物とは、学校や病院、百貨店、共同住宅など不特定多数の人が利用する建築物や衛生上・防火上とくに規制すべき建築物を指します。
特殊建築物は避難場所・経路の確保や避難器具の設置など規制が多くありますが、長屋は特殊建築物には該当しないため、他の共同住宅と比べて法的規制が少なくなっています。
共有スペースがない
長屋の特徴でも紹介したように、長屋には共有スペースがありません。
共用スペースがないことで、建築時のコストや維持費が安くなり、家賃を抑えられるでしょう。
また、共用スペース分を各住戸に割り当てられるため、各住戸の面積を広く取れます。
建物を建てにくい狭い場所でも建てられる
長屋は、建物を建てにくい狭い場所でも建てられます。
自治体では長屋に対して規制を緩和していることが多く、20坪以下の土地や住宅が建て詰まった土地、いびつな形をした土地でも建築可能です。
他にも道路に接する通路が細く、奥に進むと敷地がある状態でも、長屋は法律的に建築しやすくなっています。
長屋のデメリット
長屋の主なデメリットは、次の2つです。
● 火災のリスクがある
● 近隣の音が気になる
火災のリスクがある
長屋は住戸が隣り合わせになっているため、近隣住民の火災に巻き込まれる恐れがあります。
また「特殊建築物」に該当しないため、避難器具の設置といった防火対策が十分ではありません。
長屋は耐火性が低いため、長屋に住む場合は住民一人ひとりが防火意識をもつことが大切です。
近隣の音が気になる
長屋はひとつの建物を壁のみで区切っているため生活音が漏れやすく、騒音トラブルにつながる恐れがあります。
とくに木造の場合は、テレビの音やドアの開閉音などの生活音が聞こえるかもしれません。
防音対策として壁側に家具を置いたり、防音材を貼ると良いでしょう。
これから長屋を探す方で近隣の音が気になる場合は、鉄筋コンクリート造を選ぶのがおすすめです。
>> "窓の防音リフォーム" で静かで快適な家づくりを
>> 防音工事の方法&リフォーム費用相場を解説!補助金は使える?
長屋をリノベーションした施工事例
ここで、当サービス『リショップナビ』の加盟業者が長屋をリノベーションした施工事例を4つご紹介します。
● 古民家リフォーム
● 長屋を現代風に全面リフォーム
● 快適に生まれ変わった長屋
● 中庭付きのお家にリフォーム
古民家リフォーム
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
築年数 | 100年 |
施工日数 | 30日間 |
リフォーム費用 | 300〜400万円 |
明治時代に建てられた長屋を住めるようにリノベーションした事例です。
リノベーション前の建物は構造材の劣化が目立ち、床のひずみや隙間風が多く、補修・補強工事を合わせて行いました。
「古い建物をリフォームするので、せっかくなら変わったデザインにして欲しい」とのご要望があり、OSB合板を仕上げ材としたり間接照明も設置したりすることで、おしゃれに仕上げています。
>> この事例の詳細はこちら長屋を現代風に全面リフォーム
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
築年数 | - |
施工日数 | 20日間 |
リフォーム費用 | 840万円 |
古い長屋を現代風にリノベーションした事例です。
築年数が古く、耐久性に不安があったため、壁や柱、梁を補強し安心して暮らせるようにしました。
また、お手入れしやすい浴室を導入し、子どもが喜ぶロフトを設置するなど、生活しやすくなっています。
外観もブラウン系の壁材を使い、現代風の家に仕上げました。
>> この事例の詳細はこちら快適に生まれ変わった長屋
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
築年数 | 50年 |
施工日数 | 60日間 |
リフォーム費用 | 1,250万円 |
今より動線をよくしたいとご要望があり、寝室のある2階に水まわりを移設しました。
朝起きてすぐに洗面所と浴室に行けるワンルームのような間取りにしています。
施主様がモダンでかっこいい雰囲気がお好きなので、水まわりの設備はデザインを重視しました。
また、内装は明るい色目にし、圧迫感が出ないように工夫しています。
>> この事例の詳細はこちら中庭付きのお家にリフォーム
住宅の種類 | 一戸建て |
---|---|
築年数 | 40年 |
施工日数 | 45日間 |
リフォーム費用 | 1,360万円 |
築年数40年の長屋をリノベーションした事例です。
施主様の住宅は両隣にお家があるため、防振・防音をしっかりと行いました。
また、古い建物で断熱性が低かったので、あわせて断熱工事を行っています。
設備や機器、照明などは、施主様ご自身が選ばれたこだわりのものを採用しました。
>> この事例の詳細はこちら長屋リノベーションをする際の注意点
長屋リノベーションをする際に気をつけたい注意点は主に次の3つです。
● 耐震工事が必要か
● 防音工事が必要か
● 希望する間取り変更が可能か
耐震工事が必要か
長屋のリノベーションでは、耐震工事が必要な場合がほとんどです。
長屋は地面と建物が接している面積が広いので、地震に強い傾向がありますが、築年数が高い建物の場合、耐震基準が今よりも低いので耐震性が十分ではありません。
1981年以前の建物である場合「旧耐震」と呼ばれる震度5強程度が耐えられる建物であれば良いという基準の時に作られたものです。
現在は「新耐震」と呼ばれる震度6強~7程度に耐えられるのが基準なため、耐震工事が必要になります。
>> 耐震リフォームの費用相場・事例をご紹介!耐震診断は必要?業者はどこが良い?
>> 築40年戸建ての耐震補強費用は?リフォーム事例・補助金をご紹介!
>> 耐震リノベーションの費用相場・業者の探し方・施工事例!
また、柱や床下などの見えない部分が腐食していたり、剥がれていたりする恐れもあります。
防音工事が必要か
長屋のリノベーションでは、防音工事が必要な場合があります。
長屋は、一般的な物件と比べると生活音が聞こえやすくなっています。
騒音は近隣トラブルになりやすいので、他の住居と隣接している壁の防音性は高めておくのがおすすめです。
希望する間取り変更が可能か
長屋のリノベーションでは、他の住戸と共有している柱があるため、間取り変更の幅が限られる場合があります。
間取りを変更したい場合は、事前にどこまでの変更が可能なのか業者に確認するようにしましょう。
長屋の建て替えとリノベーションの比較
長屋をきれいにしたい場合は、建て替えとリノベーション(リフォーム)のどちらが良いか迷いますよね。
それぞれのメリット・デメリットを、次の表にまとめました。
建て替え | リノベーション | |
---|---|---|
メリット | ● 雰囲気を大きく変えられる ● ゼロから間取りを見直せる |
● コストを抑えられる ● 間取りの変更は少し可能 |
デメリット | ● 完成までに時間がかかる ● コストを抑えられない |
● 大規模な間取りの変更ができない |
建て替えよりリノベーションの方がコストが低い
建て替えとリノベーションで比較すると、リノベーションの方がコストが低い傾向があります。
建て替えをする場合、既存の建物を壊す解体費用が必要です。
しかしリノベーションなら既存の建物を壊さずに施工するため、解体費用は必要なく、人件費や仮住まいの費用なども抑えられるでしょう。また再利用可能な物はできるだけ活用するので、コストが抑えられます。
建て替えよりリノベーションの方が工期が短い
建て替えよりもリノベーションは短い工期で施工できます。
建て替えは既存の建物を壊して1から作り直しますが、リノベーションなら解体しない分工期が短くなり、1〜2ヶ月程度で完成可能です。
長屋をおしゃれにリノベーションしよう
長屋のリノベーションでは600万〜1,000万円の費用がかかるとされています。
施工内容にもよりますが、長屋は比較的安価に購入でき、リノベーション費用と合わせても建て替えより安く抑えられるでしょう。
「耐震工事が必要な可能性が高い」「防音工事が必要になる」「間取りを大幅に変えられない」という点に注意しながら、長屋をおしゃれにリノベーションしてみてはいかがでしょうか。
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