「子育てグリーン住宅支援事業」の内容

「子育てグリーン住宅支援事業」は、2025年に新築(注文・分譲)やリフォームで、対象の省エネ工事を行う際に活用できる補助金制度です。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、子育て世帯や若い世代の夫婦などを対象に、ZEH基準を超える省エネ住宅の新築や省エネリフォームにかかる費用の一部を支援します。
また、本制度はご家庭の省エネ化を促進する「住宅省エネ2025キャンペーン」の4つの事業の1つです。
次の章では、新築・リフォームそれぞれの補助内容について詳しく解説していきます。
(※以下でご紹介する内容は、2025年3月時点の情報をもとに記載しております。)
新築(分譲・注文・賃貸)における補助対象の工事と金額
(※出典:「子育てグリーン住宅支援事業公式ウェブサイト」(国土交通省)を加工して作成。)
新築(注文・分譲・賃貸)の場合は、住宅の省エネ性能に応じて、補助対象となる世帯が異なります。
また、基礎以降の工事が2024年11月22日以降に着工したものが対象です。
対象の世帯と補助金額について、次の表にまとめました。
住宅性能の種類 | 住宅の種類 | 対象の世帯 | 補助金額 |
---|---|---|---|
GX志向型住宅 | 新築である次の住宅 ● 注文住宅 ● 分譲住宅 ● 賃貸住宅 |
全ての世帯 | 160万円/戸 |
長期優良住宅 または ZEH水準住宅 |
新築である次の住宅 ● 注文住宅 ● 分譲住宅 ● 賃貸住宅 |
子育て世帯 若い世代の夫婦 |
● 長期優良住宅 80~100万円/戸 (※) ● ZEH水準住宅 40~60万円/戸 (※) |
(※)建て替え前の住宅を除却する場合、補助額が増えます。
「GX志向型住宅」新築は、「ZEH水準住宅」を上回る省エネ基準が設けられています。
加えて、「住戸の床面積」や「住宅の立地」に関する条件も定められているので、業者と希望する新築工事が対象に該当するのか、確認しながら進めましょう。
|
リフォームにおける補助対象の工事と金額

(※出典:「子育てグリーン住宅支援事業公式ウェブサイト」(国土交通省)を加工して作成。)
子育てグリーン住宅支援事業は、「子育て〜」とありますが、リフォームでは全世帯が対象です。
補助金の対象となるリフォームは、「3つの必須リフォーム」と「5つの任意リフォーム」の2種類にわかれています。
また、本制度を利用する際の条件の一部に、次の内容が定められています。
- 必須リフォーム3つすべてを実施する:上限60万円/戸
- 必須リフォームを最低でも2つ以上実施する:上限40万円/戸
- グリーン住宅支援事業者と契約し、2024年11月22日以降に着工するリフォーム
補助対象となるリフォームの内容を、次にまとめました。
必須のリフォーム |
1. 開口部の断熱リフォーム 2. 躯体部分の断熱リフォーム 3. エコ住宅設備の導入 |
---|---|
任意のリフォーム |
4. 子育てしやすい環境へ変更するリフォーム 5. 住宅の防災性を向上させるリフォーム 6. バリアフリーリフォーム 7. 空気清浄、換気機能がついたエアコンの導入 8. リフォーム瑕疵保険などへの加入 |
任意の工事は、必須工事とあわせて行う場合に補助対象とされます。
以下より、それぞれの具体的なリフォーム内容と補助金額について、ご紹介します。
1. 開口部の断熱リフォーム
窓や、玄関などの開口部分を、一定の基準を満たした断熱性能のある製品に交換、設置するリフォームが対象とされます。
補助金額は、次の通りです。
リフォーム部位 | サイズと補助金額 |
---|---|
内窓の設置・交換 | 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 1.1万円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 1.35万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 1.7万円/箇所 |
外窓の交換・設置 | 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 2.2万円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 2.7万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 3.4万円/箇所 |
窓ガラスを 複層ガラスへ交換 |
【小】(0.1㎡以上~0.8㎡未満) 4千円/箇所 【中】(0.8㎡以上~1.4㎡未満) 1万円/箇所 【大】(1.4㎡以上) 1.4万円/箇所 |
玄関ドアの 交換・設置 |
【小】 開き戸(1.0㎡以上~1.8㎡未満) 引き戸(1.0㎡以上~3.0㎡未満) 4.3万円/箇所 【大】 開き戸(1.8㎡以上) 引き戸(3.0㎡以上) 4.9万円/箇所 |
なお、条件を満たすことで窓の断熱リフォームは「先進的窓リノベ2025事業」と併用することもできます。
2. 躯体部分の断熱リフォーム
外壁、屋根、天井、床と住宅の構造箇所に、対象の断熱材を用いてリフォームをする際は、補助対象となります。
(※リフォーム後の断熱基準がZEHレベルであること。)
リフォーム部位 | 補助金額 |
---|---|
外壁 | ● 16.9万円/戸 ● 部分断熱の場合は、8.4万円/戸 |
屋根、天井 | ● 6万円/戸 ● 部分断熱の場合は、3万円/戸 |
床 | ● 10.5万円/戸 ● 部分断熱の場合は、5.2万円/戸 |
3.エコ住宅設備の導入
太陽熱利用システムや節水機能が高い洋式トイレ、高断熱浴槽など省エネ効果の高い住宅設備の導入も、補助対象とされています。
補助対象の設備 | 補助金額 |
---|---|
太陽熱利用システム | 3万円/戸 |
節水機能の高い 洋式トイレ |
● 掃除が簡単な機能付き 2.3万円/台 ● 掃除が簡単な機能なし 2.1万円/台 |
高断熱浴槽の導入 | 3.2万円/戸 |
高効率給湯器の導入 | 3万円/戸 |
節湯機能のある 水栓に交換 |
6千円/台 |
蓄電池の導入 | 6.4万円/戸 |
なお、エコキュートなど高効率給湯器を複数導入する場合、条件を満たすことで「給湯省エネ2025事業」との併用も可能です。
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4.子育てしやすい環境へ変更するリフォーム
お住まいを子育てしやすい環境にするために、補助対象となるリフォームが定められています。
特に子育て世帯の方は、将来を見据えて活用を検討してみましょう。
リフォーム内容 | 補助金額 |
---|---|
家事の負担が 軽減される 住宅設備を導入 |
● ビルトイン食洗機 2.5万円/戸 ● 掃除が簡単なレンジフード 1.3万円/戸 ● ビルトイン自動調理用コンロ 1.5万円/戸 ● 浴室乾燥機 2.3万円/戸 ● 宅配ボックス 住戸専用:1.1万円/戸 共用:1.1/ボックス |
開口部の 防犯性を向上 |
● 外窓の交換 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 2.2万円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 2.6万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 3.7万円/箇所 ●玄関ドアの交換 【小】 開き戸(1.0㎡以上~1.8㎡未満) 引き戸(1.0㎡以上~3.0㎡未満) 3.8万円/箇所 【大】 開き戸(1.8㎡以上) 引き戸(3.0㎡以上) 5.3万円/箇所 |
開口部の 防音性を向上 |
● 防音性が高い窓ガラスに交換 【小】(0.1㎡以上~0.8㎡未満) 3千円/枚 【中】(0.8㎡以上~1.4㎡未満) 8千円/枚 【大】(1.4㎡以上) 1.1万円/枚 ● 内窓の設置 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 8.5千円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 1万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 1.25万円/箇所 ● 外窓の交換 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 1.7万円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 2万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 2.5万円/箇所 ●玄関ドアの交換 【小】 開き戸(1.0㎡以上~1.8㎡未満) 引き戸(1.0㎡以上~3.0㎡未満) 3.2万円/箇所 【大】 開き戸(1.8㎡以上) 引き戸(3.0㎡以上) 3.6万円/箇所 |
キッチンの 対面化 |
9.1万円/戸 (※キッチンの対面化で補助を受ける場合は、 「掃除が簡単なレンジフード」 「ビルトイン自動調理用コンロ」の補助 は受けられないので注意) |
5. 住宅の防災性を向上させるリフォーム
窓を防災性の高い製品へリフォームする場合も、補助対象です。
主に、窓ガラスと外窓のリフォームが該当します。
リフォーム部位 | サイズと補助金額 |
---|---|
窓ガラスの交換 | 【小】(0.1㎡以上~0.8㎡未満) 7千円/枚 【中】(0.8㎡以上~1.4㎡未満) 1.2万円/枚 【大】(1.4㎡以上) 1.8万円/枚 |
外窓の交換 | 【小】(0.2㎡以上~1.6㎡未満) 1.6万円/箇所 【中】(1.6㎡以上~2.8㎡未満) 2.7万円/箇所 【大】(2.8㎡以上) 4.1万円/箇所 |
6.バリアフリーリフォーム
介護を目的としたリフォームをする場合、補助対象の工事内容であれば必須工事とあわせて補助金の申請が可能です。
リフォーム内容 | 補助金額 |
---|---|
手すりの設置 | 6千円/戸 |
段差の解消 | 7千円/戸 |
廊下などの幅を広げる | 2.8万円/戸 |
衝撃などを和らげる 素材の畳へ床材を交換 |
2.1万円/戸 |
7. 空気清浄、換気機能がついたエアコンの導入
空気清浄、換気機能がついたエアコンを導入する際、補助金額はエアコンの冷房能力にあわせた額が補助されます。
エアコンの冷房能力目安 | 補助金額 |
---|---|
2.2kW以下 | 2万円/台 |
2.2kW超~3.6kW未満 | 2.4万円/台 |
3.6kW以上 | 2.7万円/台 |
8. リフォーム瑕疵保険などへの加入
リフォーム瑕疵保険または大規模修繕工事の保証保険に加入する場合、1契約あたり7千円の補助を受けられます。
なお、契約するリフォーム業者が子育てグリーン住宅支援事業に登録されているかも確認しましょう。
「子育てグリーン住宅支援事業を利用してリフォーム費用を抑えたいけれど、内容が難しくて不安……」と感じる方も多いでしょう。
補助金の詳細を把握し、具体的なスケジュールを立てるためにも、一度リフォーム業者に相談し、実際の費用や工事内容を確認してみるのをおすすめします。
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2024年「子育てエコホーム支援事業」との違い
(※出典:「子育てエコホーム支援事業公式ウェブサイト」(国土交通省)を加工して作成。)
2024年度に実施された、リフォームにおける「子育てエコホーム支援事業」との主な違いは、次の点が挙げられます。
- 最大補助金額の上限が前年20~60万円から今年は40~60万円と増加
- 全世帯で補助上限額が60万円に統一
- 必須のリフォーム工事が1つから最低2つに増加
前年と比べ、必須リフォームの数は増えましたが、上限金額が昨年より上がっています。
また、昨年は子育て・若者世帯に対してのみ補助上限額を引き上げていたのですが、本制度から全世帯が対象となりました。
2025年も引き続き、政府はエネルギー削減を目的とした住宅の省エネ化促進に力を入れていることがわかります。
省エネリフォームを見込まれている方は、費用を抑える方法の一つに子育てグリーン住宅支援事業の利用を検討するのもよいでしょう。
子育てグリーン住宅支援事業はいつから?
「子育てグリーン住宅支援事業」の申請受付は、2025年3月31日から12月31日までです。
また、予約申請(任意)を行う場合は、2025年3月31日から11月14日までの期間が設けられています。
(※添付書類の登録開始は2025年4月14日~)
いよいよ、補助金の申請受付が開始が迫っていますが、スムーズに申請を進めるためには、事前の見積もり取得が大切です。
補助金は基本リフォーム工事が完了し、支払いを終えた後に還元されるため、あらかじめ自己負担額を把握し、資金計画を立てておくことが欠かせません。
また、申請数が多い制度は期限内であっても早期に受付終了することがあるため、見積もりを依頼する頃には申請が締め切られている可能性も。
「急いで見積もりを取らなきゃ……!」と慌てて業者選びを失敗しないためにも、今のうちから情報収集も同時に進めておきましょう。
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子育てグリーン住宅支援事業で補助金を申請する方法
補助金の交付申請をする際、どのような手順で行うか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
大まかな流れを次にまとめました。

ご自身できちんと申請できるか不安な方もいらっしゃると思いますが、基本的にリフォーム業者が申請手続きを代行するので、ご安心ください。
補助金交付の申請に必要な書類
子育てグリーン住宅支援事業の申請をする際、提出に必要な書類を把握しておくことも大切です。
リフォームの補助金申請で必要な書類は、次が挙げられます。
(個人であれば住民票や運転免許証のコピー/法人であれば商業登記のコピー) (性能証明書、納品書、工事前・工事中・工事後の写真など) |
書類に不備があると補助金対象外とされ、制度が利用できないことがあります。
慌てて準備することがないよう、スケジュールに余裕を持っておきましょう。
補助金制度の詳細が出たら確認する2つのこと

利用を検討されている方は、補助金制度の詳細がでたら、次のことを確認しておきましょう。
公式ウェブサイトで補助対象の条件を確認
補助金制度に関する詳細が発表されたら、補助対象の条件を確認してください。
条件を満たしていないと、対象外となり補助金制度自体が利用できないケースも。
また、条件とあわせて補助金額・対象のリフォームを確認しておくと予算とリフォームのプランを立てやすいでしょう。
最新の情報は、「子育てグリーン住宅支援事業」の公式ウェブサイトで確認できます。
なお、国土交通省の公式ウェブサイトでも確認できますので、こまめにアクセスしてみてください。
補助金の申請をするタイミング確認
補助金を利用する際は、交付申請のタイミングを事前に確認することが重要です。
「子育てグリーン住宅支援事業」では、リフォーム工事完了後に交付申請を行います。
また、自治体など別の補助金制度の利用を検討している方もいるでしょう。
制度によっては「工事前に申請」する必要があるものもあり、申請の順番が異なります。
申請のタイミングを誤ると補助対象外となり、制度を利用できなくなるため、事前に申請手順をしっかり確認しておきましょう。
補助金に詳しいリフォーム業者への相談も検討
公式ウェブサイトを見ても、内容が難しくて不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、補助金制度に詳しいリフォーム業者へ相談するのもおすすめです。
制度の知識だけでなく、希望するリフォームに最適な補助金制度を提案してもらえることがあります。
相談の際には、気になることや疑問点があれば、遠慮せずに質問してみましょう。
丁寧で分かりやすい説明をしてくれるかどうかも、業者を選ぶポイントです。
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子育てグリーン住宅支援事業を活用するために今から準備を始める
2025年の実施がいよいよ目前の「子育てグリーン住宅支援事業」は、省エネリフォームを検討する方にとって注目される補助金制度です。
正確な申請時期の日付については今後の発表を待つ必要がありますが、最新情報をこまめに確認しながら準備を進めていくことが大切です。
また、信頼できるリフォーム業者と相談しながら進めることで、補助金を活用した省エネリフォームをスムーズに実現できます。
正式な実施開始に備え、今から情報収集を始めましょう。
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