空き家リフォーム・リノベーションの費用と補助金!メリット・デメリットや事例もご紹介

更新日:2024年09月02日

家具を置いていない広いリビング

ご自身が「暮らすため」あるいは「賃貸や売却で利益を得るため」といった理由から、空き家のリフォーム・リノベーションを検討する方が増えつつあります。また、固定資産税の心配をされる方もいらっしゃるでしょう。リフォームの際には工事費用がいくらかかるか、またどのような工事が必要か、気になる方もきっと多いはず。そこで今回は、空き家のリフォーム・リノベーションのメリットとデメリット、必要な工事の決め方やその費用、施工事例、活用しやすい補助金の例・減税制度など、詳しくご紹介します。

どこまでする?空き家リフォーム・リノベーションの費用相場

一口に「空き家」と言っても築年数や劣化具合はそれぞれ違うため、リフォーム費用も様々です。
空き家になっていた期間が短く、築年数が浅い物件ならそれほど手を加えないで最低限のリフォームで済むこともあります。

逆に、築年数が古く「空き家歴」が長いと、全体的なリノベーションをしなければならないこともあるでしょう。
特に構造部分の劣化やシロアリ被害、耐震性や断熱性などは、ご自身では判断できないことも多いため、プロにチェックしてもらうことが重要です。

住宅診断

不安な方は、本格的にインスペクション(住宅診断)してもらうことをおすすめします。
インスペクションは5~10万円位の費用で実施できるので、診断結果をもとに、工事内容を具体的に決めると良いでしょう。

>> インスペクションもできるリフォーム会社のご紹介はこちら!

まずはリフォーム・リノベーションの目的を明確に

まずはリフォーム・リノベーションの目的を明確に

空き家をリフォームする目的は、主に以下の3つに分類されます。

● 自分で住むため
● 賃貸物件として利用するため
● 売却するため

適切なリフォーム方法を考えるためには、工事の目的を明確にすることが大切です。
しかし、このようなご希望はあるものの「どのような工事をして良いか、予算内でおさまるか」と不安な方もいらっしゃるでしょう。

以下、リフォーム費用相場と、目的に応じたリフォーム内容をご紹介しますので、それらを参考に予算内でどこまでできそうか確認してみましょう。

【工事内容別】リフォーム価格の目安

壁紙や水回り設備の交換費用、耐震補強や断熱リフォームなどの価格目安を確認しておきましょう。

ちなみに湿気・カビの悩みがある場合や、防犯対策・断熱対策を強化したい場合には、内窓(二重窓)の設置がおすすめです。

内容 費用相場
壁紙交換 800~1,500円/㎡
床材張り替え(フローリング) 3~6万円/畳
トイレ 15~50万円
風呂 ユニットバス交換 = 50~150万円
在来浴室からユニットバス = 65〜150万円
キッチン 50〜150万円
洗面所 10~50万円
外壁 60~300万円
(※平屋で外壁塗装する場合は、40~70万円と低価格で実施できる場合あり)
屋根 15~260万円
耐震補強・改修 25~150万円
断熱リフォーム(壁に断熱材を施工) 4千~3万円/㎡
内窓(二重窓)の設置 8~15万円/箇所
(※掃き出し窓の場合は、10~30万円/箇所)
シロアリ対策 駆除・予防リフォーム = 1,150〜3,000円/㎡
(※一定の平米数・坪数までは一律料金の場合もあり)
シロアリ被害による劣化箇所補修、基礎補強=25~100万円以上
(※劣化具合によっては300万円ほどする場合もあり)
雨漏り修理(屋根の場合) 1~45万円/箇所

>> 耐震診断・リフォームの費用相場
>> 断熱リフォームの種類・費用
>> 雨漏り診断・修理の費用

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複数箇所をまとめて工事する場合の費用について、もう少し詳しくお話ししましょう。

部分的なリフォームをしたい場合

キッチンのリフォーム

壁紙・床を部分的に交換する工事や、トイレ・キッチン・浴室などを一緒にリフォームする場合なら、合計で数十万~500万円以内に収まります。

水回りは特に劣化しやすく、古いタイプから最新式の設備に変えることで家全体の機能性がアップするので、優先的にリフォームしたいですね。

空き家を「売却」もしくは「賃貸」にする場合は、壁紙が汚れていると嫌がる方が多いため、綺麗なクロスに交換しておきたいところです。

【売却目的なら、最低限のリフォームに抑えるのもあり】

中古住宅購入者の中には、ご自身でリノベーションをすることを前提として「古い物件でもOK」と考える方も多くいます。

このような方に向けて建物を売却するなら、柱や壁の補強、カビの生えた壁紙を張り替える、外壁を修繕するなど、見た目の不快感を取り除く最低限のリフォームで良い場合もあります。

なお、壁や床が抜け落ちている、雨漏りしている、といった劣化が激しい住宅は、購入意欲が下がる/入居者との間でトラブルになる、といった問題が出てくるので、念のため不備がないかチェックしておきましょう。

総合的なリノベーションをしたい場合

家具を置いていない広いリビング

水回り設備を全体的に入れ替え、各部屋の内装や建具なども全面的にリフォームする場合には、予算にも工事期間にも、余裕を持っておきたいところ。

築10年以上の一戸建てやアパート1棟を所有されている場合には、外壁・屋根のリフォームも必要な場合があります。

リノベーションをする際の費用目安は、マンションなら250~1,000万円/戸一戸建てなら500~2,000万円ほどです。

ただし、建物の老朽化具合や、新しく選ぶ設備の違いによっても価格が変動します。
300~500万円で古民家をリノベーションできたパターンもあるので、まずは空き家の工事が得意な業者と相談してみると良いでしょう。

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空き家リフォーム・リノベーションの補助金、減税、ローン制度

近年、国内の空き家の数は増加傾向にあります。
総務省が5年毎に実施している『住宅・土地統計調査』のデータによると、2018年の時点で空き家の戸数は約849万戸を超え、日本の住宅総戸数から見た空き家の割合は13.6%になっています。
今後、ますます空き家率は高くなると予想されています。

空き家

かつての日本では、結婚後も親との同居は珍しいことではありませんでしたし、兄弟も多かったので家を出た子どもたちのいずれかが実家に戻って引き継ぐ家庭も多かったものです。

しかし、現在の日本では子どもの数は年々減少し、さらに実家を出て独立した子が新たな家を持つケースも多いため「実家を相続=空き家にするしかない」という方が増えています。

このような問題を解決するため、空き家対策の補助金や減税・ローン制度が用意されています。

空き家リフォーム・リノベーションの補助金

上から眺める住宅街

空き家のリフォーム・リノベーションのための補助金は、様々な自治体が支給しています。
ご本人が居住する場合、賃貸に出す場合、どちらであっても補助対象となるケースも多いので、活用しやすいでしょう。

例として、兵庫県の補助金の内容を見てみましょう。

【空き家活用支援事業(兵庫県)】
<概要・要件>

● 政令市(神戸市)、中核市(姫路市、尼崎市、西宮市、明石市)以外の市町で、市街化区域以外の区域が対象(一部区域は対象)
● 一戸建ての住宅の空き家、または共同住宅の空き住戸で、申請時点で空き家であること(空き家の期間が6か月以上であり、築20年以上経過したもの)
● 改修後10年以上住宅などとして活用すること

※上記の他「耐震性能を有する空き家であること」などの要件を全て満たす必要あり
<主な工事内容>

空き家の機能回復、設備改善に係る工事
<補助金額>

住宅の種類と対象の工事費によって異なる。

一戸建て(一般タイプ):100万円以上の工事から対象となり、40~100万円が補助
共同住宅(一般タイプ):100万円以上の工事から対象となり、40~65万円が補助
<申請受付期間および工事期間>

● 申請受付=2022年4月18日~2022年12月28日(※予算がなくなり次第終了)
● 工事日=補助金の交付決定後に着工、および2023年3月31日までに改修工事および工事代金の支払いが完了していること

上記の制度は県が行っているものですが、このような補助金制度は市町で実施している場合が多いです。
また、リフォーム以外にも解体工事で補助金を出す自治体が複数あります。

>> 空き家解体の補助金は国土交通省から?自治体から50万円以上も可能

なお「耐震」工事や、断熱性を確保するための「省エネ」リフォームなら、空き家対策以外の補助金制度を申請できる場合があります。
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」などの補助金も人気があります。

また工事内容が多くなりそうなら、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の対象になるかもしれません。

※2022年度の長期優良住宅化リフォーム推進事業は予算額に達したため、受付を終了しました。

>> どんなリフォーム・リノベーションが補助金を活用しやすい?
>> 中古住宅の購入で活用しやすい補助金・税減をご紹介

地域の補助金制度に詳しいリフォーム会社であれば、活用しやすいプランについてアドバイスしてくれるでしょう。

耐震・省エネリフォームは減税対象になりやすい

古い瓦屋根の家

ちなみに耐震改修や省エネリフォームを実施する場合は、減税制度も利用しやすいというメリットがあります。
主に「所得税の控除」と、「固定資産税の減額」の2パターンを申請できる方が多いでしょう。

【所得税の控除】

所得税の控除は、以下の2種があります。
原則として、本人が居住するためのリフォームの場合に適用されます。

所得税控除の種類 対象者、控除額、期間
「住宅ローン」減税 ● 10年以上の住宅ローンがある場合が対象
● ローンの年末残高の0.7%を控除(10年)
● 控除額上限 = 140万円
所得税額の特別控除(投資型) ● 自己資金でリフォームを行う場合が対象
● 標準的な工事費用相当額の10%を控除(1年)
● 控除額上限 = 62.5万円(67.5万円※)

※ 太陽光発電を設置する場合。また、長期優良住宅化の場合は最大80万円まで控除

【固定資産税の減額】

固定資産税の減額については、「省エネ」リフォームの場合は、本人が居住するための工事の場合に適用されるのが原則です。
一方「耐震」リフォームを実施した場合は、本人が居住するためだけではなく、賃貸住宅として使用するためであっても、減税対象となります。

固定資産税の減額の対象者、控除額、期間
【耐震】
● 本人居住のため・賃貸に出すため、いずれの場合も対象
● 固定資産税の1/2を軽減(翌年度分)

【省エネ】
● 本人が居住する場合が対象
● 固定資産税の1/3を軽減(床面積50~280㎡まで、翌年度分)

>> どんな工事がリフォーム減税制度の対象?

ところで、時々「リフォームをすると固定資産税が上がるのでは」と気にされる方がいらっしゃいますが、確認申請が必要となる増築工事などにあたらなければ、基本的には固定資産税は上がりません。

ただし地域によって基準は違うので、念のため確認申請などに詳しい業者と相談したほうが無難です。

建築士が在籍している業者であれば、確認申請の有無をチェックしやすい他、減税制度の利用時に必要な「増改築等工事証明書」の発行もしてもらえるので、スムーズでしょう。

空き家改修向けのローンも豊富

空き家改修向けのローンも豊富

「ローンを組みたいけど、利用できるか心配……」という方も、ご安心ください。
本人が居住するか、賃貸として使用するかにかかわらず、無担保で借りられる「空き家リフォーム向け」のローンもたくさんあります。

この他にも、ご自身が居住するためのリフォームローンであれば、やはり無担保で借りられる商品の選択肢が多くあります。

>> リフォームローンの選び方・担保の有無・金利相場

「今すぐにリフォーム資金の用意が難しい」という方は、ファイナンシャルプランナー在籍など、ローンに詳しいリフォーム会社と相談してみるのもおすすめです。

黒い外壁の家

予算や目的などにより、空き家のリフォーム・リノベーションにおける悩みは人によって様々です。

経験豊富なスタッフと相談し、ご希望に合った助言や提案をしてくれる業者に、工事を任せることが大切です。

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空き家リフォーム・リノベーションのメリット

空き家が並ぶ路地裏

資産価値の増加

空き家は、日常的に窓を開けて空気を入れ替えることがないため、湿気が内部に溜まりやすいという欠点があります。
木造住宅の場合は木材が傷みやすく、さらに高温多湿によりカビや虫が発生することもあります。
また、さほど状態はひどくなくても、壁紙などは徐々に汚れていってしまいます。

このような劣化した建物を、リフォームやリノベーションで蘇らせれば、「資産」としての価値がアップすることになります。
ご自身が「居住」する場合には快適に暮らしやすく、また「売却」や「賃貸」が目的の場合も、買い手や借り手が見つかりやすくなりますね。

>> 中古住宅を購入してリノベーションするメリットデメリットとは?段取りや注意すべきポイントを解説

倒壊・犯罪のリスク軽減

激しく劣化した木造住宅

空き家を放置すると「倒壊」や、空き巣などの「犯罪」の危険性が増大します。
万が一倒壊してしまうと近所に迷惑がかかることもありますし、誰かに損害を与えてしまった場合、賠償責任を負う事態に発展してしまいます。

今後、いつ誰が居住するかにかかわらず、老朽化している物件をリフォームしておくことで、安全性を確保できるでしょう。

特定空き家に認定されづらい

状態の悪い空き家を放置し続け、行政から「特定空き家」と認定されてしまうと、「住宅用地に係る特例」措置が解除され、固定資産税が最大6倍にまで跳ね上がってしまいます。

リフォームを行い、耐震性、衛生面など適切な状態でキープできている空き家であれば、「住宅用地に係る特例」を受けることができ、「特定空き家」にも認定されづらくなります。

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空き家リフォーム・リノベーションのデメリット

空き家

費用がかかる

空き家をリフォームする際の一番のデメリットは、やはり「費用がかかる」ことでしょう。

特に、空き家にしたまま長年経過しているという場合には、修繕するつもりでもフルリノベーション規模の工事になり、費用が高くなりがちです。
また、1981年よりも前に建築された住宅の場合は、旧耐震基準を元に設計されているので、耐震補強が必要になる可能性があります。

費用面の心配事として、賃貸目的の場合、リフォームに多額の費用をかけたからといって、すぐに入居希望者が現れるとも限りません。
なかなか元がとれない可能性もあるのでご注意ください。

空き家リフォーム・リノベーションの事例・工期

参考までに、当サイト・リショップナビに加盟している施工会社が、空き家のリフォーム・リノベーションを行った例もご紹介します。

事例1
雨漏り補修も兼ねた外装リフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 40年
リフォーム費用 200万円
施工日数 48日
空き家状態のご実家にて、雨漏りにより天井が落ちていたので、劣化箇所を中心に、外装をリフォーム。動物の侵入でフンが残っていることも多かったので、土の部分を土間コンクリートに変更。草の手入れも楽になりました。

>> このリフォーム事例を詳しく見る

事例2
賃貸用マンションのリノベーション

住宅の種類 マンション(RC造)
築年数 30年
リフォーム費用 250万円
施工日数 45日
5年間空き家だった賃貸用のマンションで、リノベーションを実施。内装や水回りを一新し、家賃相場や不動産屋探しまで、施工会社がサポート。工事をしてから2週間後に、入居者様が無事に決定しました。

>> このリノベーション事例を詳しく見る

事例3
築50年の空き家を再生リフォーム

住宅の種類 一戸建て
築年数 50年
リフォーム費用 300万円
施工日数 30日
今まで空き家だった一戸建てを、住みやすいようリフォーム。施工面積は合計100㎡で、キッチン・浴室の位置変更および設備交換、トイレの工事、そして排水経路・利便性確保のため浄化槽の設置も行いました。

>> このリフォーム事例を詳しく見る

リショップナビでは上記の他にも、空き家や古民家のリフォーム・リノベーション実績がある施工業者を多数ご紹介しています。
お打ち合わせ・お見積もりは無料ですので、予算や建物に合った工事プランを、提案してもらってみてはいかがでしょうか?

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【この記事のまとめ&ポイント!】

空き家をリフォーム・リノベーションする際にかかる費用は、いくら?
「壁紙や床材の張り替え」「水回り設備の交換」「全体的なリノベーション」など、工事内容ごとの費用相場について、こちらでご紹介しています。
空き家をリフォーム・リノベーションする際に活用できる、補助金、減税、ローン制度は?
自治体が実施している補助金制度の例や、減税対象になりやすい工事内容などについて、こちらで解説しています。
空き家をリフォーム・リノベーションした事例を見たい!
当サービス・リショップナビの加盟業者が、空き家を施工した例をこちらに掲載していますので、ご覧ください。
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