外壁工事とは
外壁工事とは、建物の外壁の剥がれや塗装の色あせ、黒ずみやひび割れなどの劣化箇所を修復し、耐久性を高めるための工事のことです。
雨や紫外線などに、日々さらされている建物を長く利用するためには欠かせません。
外壁に用いられている塗装の耐用年数は、おおよそ10年です。
10年前後で劣化が目立ってきますが、劣化状態が気にならない程度だからといって放置していると、雨漏りやカビの発生につながります。
快適な住環境に向けて、10年に1度の間隔で外壁工事を検討するようにしましょう。
外壁工事4種の工事内容
外壁工事には、大きく分けて4つの種類が存在します。
本章では、各外壁工事の内容について解説します。
塗装工事
塗装工事とは、対象箇所の洗浄後、必要に応じて下地部分を補修したうえで、新しく塗料を塗りなおす工事のことです。
塗料を塗り替えることで建物の外観をキレイにしたうえで、防水性などの機能も復元できます。
また、費用や耐用年数に応じて使用する塗料の種類が異なります。
ウレタン、シリコン、フッ素、断熱、光触媒などが代表的です。
張り替え工事
既存の外壁をはがし、新しい外壁に張りなおす工事のことを張り替え工事と呼びます。
壁内の下地や防水シートのメンテナンスも一緒に行えるため、建物の寿命を伸ばせます。
また、一から施工するため様々な外壁材を選べるうえ、外壁材次第では耐震性を高めることも可能です。
重ね張り工事
重ね張り工事とは、カバー工法とも呼ばれ、もともとの外壁の上から新しい壁材を被せて張っていく工事のことです。
重ね張り工事では、構造上外壁が二重になるため、断熱性や遮音性が向上する点が特徴です。
また、既存の外壁を解体・撤去しないため、張り替えと比べて安く施工できます。
ただし、既存外壁を残すため、外壁の痛みが放置されて劣化が進んでしまう場合があります。
また資材によっては外壁の重量が増し耐震性に影響が出る場合があることには注意が必要です。
補修工事
補修工事とは、外壁のひび割れや塗装の剥がれなどの劣化を部分的に補修する工事です。
塗装やコーキングのひび割れ痩せなど、外壁全体の工事が必要ない場合などに行われます。
建物が築年数10年未満であれば、大掛かりな工事をするよりも費用と工期を大幅に抑えられる点が補修工事の魅力です。
また、建物の劣化が出始めたころからメンテナンスを実施すれば、全体補修の時期を遅らせられます。
外壁工事の費用相場について知りたい方は、後述する「外壁工事の費用相場」の章でご確認ください。
外壁工事の目的
外壁工事を行う目的としては次の通りです。
- 耐久性の向上
- 断熱・遮熱効果を得る
- 防水性や透湿性などの性能向上
本章では、外壁工事の主な目的3点についてそれぞれ解説しますね。
耐久性の向上のため
1つめの目的が、建物の耐久性向上です。
ひび割れなどの箇所を放置しておくことは、内部にカビが発生したり、壁材ごと剥がれ落ちるといったトラブルの元となります。
こうした外壁のトラブルが建物の劣化を引き起こし、ひいては居住環境の悪化へとつながります。
外壁の塗料を塗り直せば、外壁がキレイに見えるようになるだけでなく、建物の耐久性向上にも役立ちます。
塗料には、耐久性が高い順にフッ素塗料、シリコン塗料、ウレタン塗料、アクリル塗料などがあります。
求める耐久性に応じて選ぶようにしましょう。
断熱・遮熱効果のため
2つめの目的として、断熱・遮熱効果を得ることが挙げられます。
外壁工事で壁材と塗料を用いて断熱、および遮熱機能を付加すると、快適な住環境を作りだせるでしょう。
例えば、外壁工事で断熱効果の高い塗料を用いれば、冬は暖かく夏は涼しいといった空間を作れます。
また遮熱効果の高い塗料との併用で、特に夏場においては室温を2~3度下げ、室内温度を快適に保つことが可能です。
防水性や透湿性などの性能向上のため
3つめの目的が、防水性や透湿性などの性能向上です。
外壁材として使用されるサイディング、タイル、モルタルなどの壁材は防水加工が施されています。
しかし、それらの性能は年数が経過すると低下してしまうものです。
そこで、外壁工事を通して防水・透湿の性能を維持できれば、外壁と内壁の間の腐食や結露を防げます。
外壁工事の期間や流れ
本章では、外壁工事を行う際の期間や流れについて解説します。
外壁工事を行う期間
外壁工事の種類によって期間が異なるため、注意しましょう。
大まかな期間の目安は次の通りです。
塗装工事 | 5〜14日 |
---|---|
張り替え工事 | 10〜25日 |
重ね張り工事 | 10〜20日 |
補修工事 | 1日~1週間 |
次のような条件の場合は、工事期間が長くなることが予想されます。
- ●外壁の劣化が激しい場合
- ●梅雨時期など湿度が高い場合
- ●日照時間が短い冬などの場合
雨の日など悪天候時は塗装をできず、湿気が多いと乾くのに時間を要するものです。
そのため、梅雨や日照時間が短い時期では、どうしても工期が伸びやすくなります。
見積もりの依頼や助成金の申請なども考慮すると、全体で2か月程度かかると見ておくと安心です。
外壁工事の流れ
続いて、外壁工事の流れについて解説します。
主な流れは、準備、施工、片付けです。
各ステップで行う作業や、注意点についてご紹介します。
準備
準備の段階では、近隣への挨拶回りと状況(現場)の確認を行います。
外壁工事では、業者の出入りや塗装材の臭い、足場を組む作業など、近所に少なからず迷惑をかけることが予想されます。
トラブルを避けるためにも、事前の挨拶と説明をして、理解してもらうことが重要です。
基本的には業者が挨拶してくれますが、可能な範囲で依頼主も一緒に挨拶回りをするとよいでしょう。
また状況(現場)確認を行い、足場を組み立てるスペースがあるか、作業の障害になるものがないか、外壁の状況はどうなのか、業者と一緒に確認しておきましょう。
扱いに注意してほしいものや塗装で汚されたくないものなどがある場合は、事前に伝えておくことが重要です。
施工
施工の段階での下準備として、足場を組み立ててから周囲の清掃や養生を行います。
その後、高圧洗浄機を使って外壁洗浄や下地補修などの処理をしたうえで、要望に応じた外壁工事をする流れです。
施工後は必ず依頼主立ち会いのもと施工状況の最終確認を行い、必要があれば修正を依頼しましょう。
最終確認後に足場は撤去されてしまうため、以降の修正に時間を要したり、対応自体できなくなる場合があります。
片付け
施主のチェックでOKが出れば、足場と養生シートを解体し、現場を清掃して工事は完了です。
足場解体の際は騒音が気になる場合があるため、解体作業の時間帯や音量について、事前に業者に確認しておくようにしましょう。
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外壁工事の費用相場
各外壁工事の費用相場は、次の通りです。
塗装工事 | 60〜180万円 |
---|---|
張り替え工事 | 150~300万円 |
重ね張り工事 | 130〜220万円 |
補修工事 | 補修・修理内容により異なる |
補修工事の内容と費用相場は、次のようになっています。
ひび割れ(クラック) | 約1〜10万円/箇所 |
---|---|
コーキングの劣化 | 打ち替え = 約900~1,200円/m ※別途、約1万~3万円の廃材撤去費もかかる |
穴・へこみ・欠け・傷 | 約1~6万円/箇所 など |
見積もりを取った際には、工事費用に足場代や諸経費などが含まれているかどうか、必ず確認するようにしましょう。
外壁工事を安く済ませるコツ
最後に、外壁工事を安く済ませるコツを3つご紹介します。
外壁工事専門の業者に依頼する
外壁工事を安く済ませるのであれば、専門の業者に依頼するとよいでしょう。
地域の外壁工事専門業者、工務店、ハウスメーカーの順で工事費用が高くなる傾向にあります。
ハウスメーカーは金額こそ高い傾向にあるものの、豊富な施工実績や施工方法への十分な理解があるため、安心感のある工事が可能となります。
一方、地域の外壁工事専門業者はハウスメーカーより費用が安く設定されています。
また、現場と依頼主の距離が近いため、工事の融通が聞きやすく、スムーズなやり取りが行える点が魅力でしょう。
このように会社の規模に応じて、費用や工事の特色が異なります。
単に費用を抑える目的なら専門の業者に依頼するのがおすすめですね。
助成金や火災保険を利用する
地域の助成金や火災保険を利用することで、外壁工事費用を抑えられる可能性があります。
助成金の申請条件や助成金額はお住まいの市区町村によって異なるため、事前に確認するようにしましょう。
また、外壁に損傷が生じた原因が自然災害の場合、火災保険が適用できる場合があります。
こちらも、適応条件は加入する保険会社やプランによって異なるため、加入している保険の内容をチェックしてみましょう。
相見積もりを取る
見積もりを取る際に複数社から相見積もりを取れば、外壁工事費を安く済ませることが可能です。
外壁工事を初めて行う場合などでは、相場がわからず悪徳業者にひっかかってしまうことも考えられます。
また、複数者から見積もりを取れば、費用相場や条件などを把握できます。
業者を選ぶ際は手間がかかりますが、複数の見積もりを比較したうえで決めるようにしましょう。
外壁工事で悩んでいる場合は専門業者に依頼しよう
外壁工事は、建物の外壁の剥がれや黒ずみ、ひび割れなどの劣化箇所を修復し、耐久性を高めるための工事です。
塗装や張り替えなど4種類の工事が存在し、修復内容に応じて工事を選ぶ必要があります。
外壁工事を安く済ませるには、外壁工事専門の業者に依頼することがポイントです。
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複数の会社を比較できるため、見積もりを取って条件や費用を比較検討してみましょう。
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