モルタル外壁の補修方法は？DIYから業者依頼時の費用相場まで詳しく解説

モルタル外壁とは、水やセメント、砂を原料とする素材で作られる外壁のことです。
様々な形状の外壁に対応でき、好みに合わせた仕上がりを実現できます。

一方で、防水性の低さや経年劣化により、ひび割れやチョーキングなどの劣化が発生するといわれます。

本章では、モルタル外壁でよく見られる5つの劣化症状を解説します。

雨だれは、壁に付着したゴミやほこりが雨とともに壁を伝い筋汚れとして付着したものです。

外壁や家の内部構造の耐久性に直接影響はありませんが、大きく美観を損ねます。
また、場合によっては藻やコケの繁殖につながります。

雨だれが気になったら、高圧洗浄機や中性洗剤などを使って除去しましょう。
雨だれを繰り返すときには外壁全面への汚れ防止コーティングの実施や、汚れが付着しにくい低汚染塗料での塗り直しが有効です。

塗装の劣化により外壁の水はけが悪くなると、コケやカビが発生することがあります。
コケやカビが発生すると美観を損ねるのはもちろん、次の被害を引き起こすケースもあります。

コケ：セメント素地の劣化
カビ：喘息やアレルギーといった健康被害

これらの被害を未然に防ぐためにも、コケやカビの発生場所は定期的に洗浄し、きれいな状態を保つことが重要です。

チョーキングとは、塗料に含まれる白色顔料が粉状になり表面に現れる現象です。
外壁を手で触ってチョークのような粉が付着したときは、チョーキングが発生しています。

チョーキングが発生している壁は、塗料の樹脂が劣化し防水性が失われている状態です。
防水性が下がると、雨水が外壁の内部にまで侵入し家の劣化を招く場合があります。

チョーキングが発生したら、なるべく早めに塗装をしましょう。

ひび割れ(クラック)は、経年劣化や地震・台風といった自然災害、施工不良などにより発生します。
ひび割れは、次の2つに大別できます。

ヘアークラック：幅0.3mm未満、深さ4mm未満の浅いひび
構造クラック　：幅0.3mm以上、深さ4mm以上の深いひび

ヘアークラックはひびが浅く、外壁内部の鉄筋のサビを発生させることはありません。
そのため、早急な補修は不要とされます。

構造クラックはひびが大きく、雨水の侵入経路となります。
建物内部の腐食や鉄筋がサビる要因になるため、できるだけ早く適切な補修をしましょう。

外壁表面に現れる浮きや膨らみ、剥がれは、経年劣化により塗料の付着力が低下して発生します。

そのままの状態にすると、塗装による防水機能や外壁の保護機能が著しく低下し、家の内部構造にまで劣化が進む場合があります。

>>【原因別】雨漏りしたらどうする？修理・補修の費用相場はいくら？台風前後の対策方法

劣化の進行を食い止めるには、早急な補修が必要です。
該当箇所の除去と洗浄を行った後、速やかに塗り替えを実施しましょう。

モルタルにひび割れが発生したら、適切な補修をする必要があります。
ひび割れの大きさによっては、DIYでも補修可能です。

本章では、DIYでひび割れを補修する2つの方法を解説します。

ひび割れが1mm以下の軽微なものの場合は、補修材として防水スプレーを使用しましょう。
補修の手順は、次の通りです。

補修材には、住宅用浸透性防水剤と住宅用浸透性防水剤スプレーがあります。
スプレーを使用する際は、ひび割れ部分とその周辺が濡れるくらい、しっかり吹き付けることがポイントです。

1mm以上の大きなひび割れは、充填剤でしっかりと埋めて補修しましょう。
充填剤とは建物のすき間や穴を埋めるパテのことで、モルタルのひび割れにも使用できます。
補修の手順は、次の通りです。

補修をスムーズに行うには、晴れて湿度が低い日を選ぶことがポイントです。
施工箇所以外の部分が充填剤で汚れないよう、周辺をしっかりと養生しましょう。

ひび割れが大きい、塗膜の浮きや剥がれがあるときは業者による補修が必要です。

業者に依頼した場合、電動工具で削りシーリングで充填する「Vカット工法」では、1㎡あたり2,500～5,300円の費用がかかります。
劣化が酷いときは、ひび割れの修繕費のみで数十万円かかるケースもあります。

またモルタル外壁の補修では多くの場合、ひび割れの修繕に加えて塗装が必要です。

本章では、塗装工事と張り替え工事の費用相場と施工事例をそれぞれご紹介します。

ひび割れ箇所の幅が1mm程度までで溝が深くないときには、ひび割れを補修した上から外壁の塗装工事を行います。

塗装工事の費用相場は、1㎡あたり約1,000〜5,500円です。
補修箇所によっては、足場設置のため別途10～20万円の費用がかかります。

ここでは塗装工事の例として、当サービス『リショップナビ』の加盟店が実際に施工した事例を2つご紹介します。

劣化が酷いときには、ひび割れ補修後にモルタルの張り替え工事をしましょう。
張り替え工事の費用相場は、サイディングの場合1㎡あたり約6,650〜10,000円です。

張り替え工事の場合も、足場を組む際は別途設置費用が必要です。

>>【種類別】サイディング外壁の特徴・メンテナンス方法！

当サービス『リショップナビ』の加盟店が実際に施工した張り替え工事の事例を2つご紹介します。

外壁のひび割れの原因や劣化の程度は、一見しただけではわからないこともあります。

信頼できる外壁修理業者に依頼をすることが大切です。
安心して工事を依頼するためにも、本章での内容をぜひ参考にしてください。

外壁修理業者を選ぶ際の一つの基準となるのが、有資格者が所属しているかです。
外壁修理に関わる資格の例には、次のものが挙げられます。

● 建築士
● 施工管理技士
● 外壁劣化診断士
● 雨漏り診断士
● 在宅診断士

これらの資格を保有するスタッフが在籍する外壁修理業者であれば、ひび割れの原因や劣化の程度を正しく判断し、最適な補修プランの提案を受けられるでしょう。

アフターフォローが充実しているかどうかも、業者を選ぶ際に確認したい点です。

塗装工事では施工後の保証期間を設けている場合がほとんどですが、保証内容は業者によって異なるため事前にしっかりと確認しましょう。

またアフターフォローが充実している業者は、丁寧な施工も期待できます。
信頼できる業者を選び、安心して外壁修理を依頼しましょう。

モルタル外壁にチョーキングやひび割れなど劣化症状が見られたときは、修繕が必要な場合があります。
特にひび割れは雨水の侵入経路ともなるため、劣化の度合いによっては早急な対応が必要です。

ひび割れの幅が大きかったり、溝が深いときには業者に依頼するとよいでしょう。

修繕費用や相談時の対応は業者によって様々ですので、3社程度に見積もりを依頼しご自身に合う業者を選ぶことが大切です。
しっかりと比較することで、より納得いただける補修工事ができるでしょう。